「自分がアイドルにハマるなんて思わなかった。」
それまでは特に興味もなかったし、“推し活”なんて自分には関係ない世界だと思っていた。
でも、ある日ふと流れてきたYouTubeのショート動画。それが始まりだった。
2025年2月、その動画で初めて知ったのが「CANDY TUNE」というアイドルグループだ(通称:きゃんちゅー)。
軽い気持ちで再生しただけだったのに、気づけば何度も何度も繰り返し観てしまっていた。

きゃんちゅーは、きゃりーぱみゅぱみゅなどが所属するアソビシステムによる「原宿から世界へ」をコンセプトにしたアイドルプロジェクト「KAWAII LAB.」から誕生した7人組のアイドルグループで、2023年3月デビュー。
最近では『倍倍FIGHT!』が、TikTok人気曲ランキングで10週連続1位になるなど、SNSを中心に大バズりし、TV出演の機会も増えて人気急上昇中。
ショート動画から始まり、音源・MV・ライブ映像…とあらゆるコンテンツを摂取することで沼りはじめ、実際のライブが観てみたい!と思うようになっていった。
まさか自分がアイドルにハマる日がくるとは。
タイミングよく2ndシングルのリリースイベントにも行けて満足…と思いきや、次第にリリイベのミニライブ(3曲)では物足りなくなってしまった。
アイドルの楽しみ方は、ライブ鑑賞と特典会にある、ということを現場に行くようになって知った。特典会とは、アイドルとファンが交流できるイベントで、おしゃべりができたり、チェキが一緒に撮れたりする、ファンにとってはたまらないサービスのこと。
きゃんちゅーも特典会を通じて、交流のできるアイドルだ。
SNSがあるおかげで、彼女たちの活動や日常を毎日のように見ることができるから、ぐっと身近に感じられるし、それだけでも十分に満足している。
特典会に興味がないといえば、ウソになる。
でも、目の前にはいるけど、会いたいと思えば顔を合わせることもできるけど、それでも、ステージ上でバチバチに輝いていて、自分なんかの手には届かない存在でいて欲しいと思う自分もいる。そう、めんどくさい感情がぐるぐるしているのだ。
でもまずは、「きゃんちゅーの持ち曲、全曲聴きてえーーーー!」とか、「ファンサービス的なパフォーマンスもいいけど、もっと全力でパフォーマンスしているきゃんちゅーが観てえんだよ!」とか、そんな想いが高まってきて、気がつけばCANDY TUNEにどハマりしてしまい、完全に『あめちゃん🍬(ファンの呼び名)』になってしまっていた。
そんな自分に対して、君のこと曲にしたよ!と言われているような2ndシングル『推し♡好き♡しんどい』がリリースされた。タイミングが良すぎるし、ぶっ刺さりすぎる。
ぼくがきゃんちゅーにハマってしまった時期は、グループ結成2周年記念の東名阪ツアー目前で、ツアーの存在を知った時には、すでにチケットはソールドアウト。ライブ熱が高まっていたがこればっかりはどうしようもない。
その後、千葉・幕張イベントホールでの追加公演が発表され、最速先行でチケットは取れたものの、キャパ9,000人の大箱、一般券なのもあるし、おそらくステージからは遠い席になるだろう。
あのリリイベで味わった距離感を知っていると、少し物足りなく感じるかもしれない。

でも、ツアーファイナルに立ち会えるからいいか…と思っていると、ツアー1発目の名古屋公演の動画がYoutubeに上がってきた。
動画をあれこれ見ていると、「あれ?バンドセットでやってる?」と気がつく。
え..ライブセットのきゃんちゅーなんて絶対に観たいやつじゃん!!(きゃんちゅーはバンドセット映えする曲が多い)
ツアーは名古屋の後、大阪、東京、幕張へと続いていき、会場の大きさも名古屋(約2,000人)→大阪(約2,000人)→東京(約5,000人)→幕張(約9,000人)とサイズアップしていく。
幕張への参加は決まっているが、できれば大阪公演にも行って、幕張とのサイズが違うライブを体感したい!と思ってしまった。(東京公演は箱が大きくて、幕張とのギャップをあまり感じないと思った)
チケットが買えないのは承知の上でもう一度調べてみよう、と悪あがきをしているとリセールサービスの存在を知る。
リセールサービスを簡単に説明すると、チケットの再販サービス。
チケットを購入したけど急遽行けなくなった人が、正規のチケット販売サービス(ぴあ、イープラスなど)を通して購入希望者にそのチケットを売ることができるサービスのことだ。
最近は全然ライブに行っていなかったから知らなかったけど、今は転売対策でいいシステムができてるんだな。

リセールを利用すれば大阪公演に行けるかも?と思い、こまめにチェックしていると大阪公演の2日前に5件のリセールチケットが出てきた。
だが、住まいは東京、急遽大阪公演に行くとなるといろいろと準備を整えるのが面倒なのも事実。
迷っているうちにチケットは速攻で無くなってしまった。というか、むしろ無くなるのを待っていたところも正直ある。
大阪行きの準備と金銭的な負担を考えると躊躇してしまい、チケットがなくなったらあきらめられると思ったからだ。
買えなかったならしょうがない、自分にそう言い聞かせたが、やっぱり買えば良かった…という後悔の念が込み上げる。
次が出てきたら必ず買う!と意気込み、その後も頻繁にチェックしていると、前日の17時30分、1件だけリーセルが出された。
キターーーー!!!これは行くっきゃねえ!
と、今回はそのチャンスをしっかりとモノにし、大阪行きを決めるのだった。
きゃんちゅー観たい。
どうせ大阪に行くなら観光もしたい。
でも急遽ってこともあるし、いろいろ節約したい。
交通費と宿代も節約できるし、久々に夜行バスにも乗ってみたい。
ということで、0泊2日の無茶な弾丸大阪旅が決定した。
17時45分 リセールチケット購入完了
18時35分 東京・大阪間の往復夜行バスチケットの購入完了
バスのチケットは発車オ〜ライネットで購入、料金は7,000円、新幹線の半額。
速攻で旅支度をして横浜駅へ向かい、23時50分発のバスに飛び乗る。

ぼくが乗車したのは千葉・東京から大阪・神戸をつなぐ夜行バス。
千葉の海浜幕張駅を出発して、ディズニーリゾート、東京駅、横浜駅でそれぞれ旅行者を乗せて、一路大阪まで向かう3列シートのバスだ。
大阪では、千里中央、新大阪、阪急三番街、ハービスOSAKAの4か所で下車ができたが、突然決まった旅で、大阪の土地勘もないので、唯一聞いたことがある新大阪で下車することにした。
本当はちゃんと下調べをして、一番利便性のよい場所で下車したかったが、数時間後に出発するバスは限られていて、口コミや価格を考慮すると良さそうなバスは残り1席になっていたので、スピードを重視した。
3列シートのバスは初めてだったが、隣同士が離れていて、真ん中の席だったのもあって両サイドに空間があって開放的だったし、ラッキーなことに後ろの席が空席だったから心置きなくシートをMAXまで倒せたし、車内にはコンセントもwifiもブランケットもトイレも付いていて、7時間の旅はすこぶる快適だった。
特にトイレが近い人やお腹の調子が悪い時は、トイレのついているバスは安心感が違う。ぼくは気軽にトイレに行きたいタイプで、自席がトイレの真横だったこともあり、移動中に3〜4回トイレに行ったが、誰もトイレを使用した人はいなかった。

ちなみに、帰りは4列シートの夜行バスにしたが、3列シートのバスとは違ってせまいし、トイレもなかったし、本当に地獄だった。夜行バスに乗るなら絶対に3列シートおすすめするし、バスの良し悪しがあることを体感した。それについてはまたのちほど。
ぼくが横浜駅で乗車した時には、もうほとんどのお客さんが乗り込んでいて、みんなが仕切りカーテンを閉めていて、他人とは一切関わりませんよ、感が心地よかった。
今回のバスはトイレが付いているため、パーキングエリアでの乗客の休憩はなく、乗務員の交代のために数回止まっただけで、予定よりも30分ほど早い6時15分に新大阪に到着した。

10数年ぶりの大阪、早朝のひっそりとしたバスターミナルに降り立つ。
2025年4月現在、ちょうど大阪万博が開かれているので、まずは万博つながりで太陽の塔でも見に行こうと思っていた。
急遽決めた大阪旅、下調べはほとんどしていなくて、太陽の塔へは自由に近づけるものだと思っていたから、ちゃんと万博記念公園として整備されていて営業時間があることも、大阪に到着してから知った。
万博記念公園は9時30分から営業開始だから、行ってもまだ入れないし、そもそも太陽の塔へ行くとしたら新大阪ではなく千里中央で降りれば良かったし、太陽の塔に行かないなら、むしろ梅田まで行けば良かったと、大阪の土地勘ゼロで車中泊でぼんやりした頭であれこれ考えながら、早朝の新大阪でスマホを片手に立ち尽くした。
でも、太陽の塔はあんなに大きいし、近くまで行けば公園に入らなくては見られるのでは?とGoogleマップのストリートビューで公園周辺を調べてみると、どうやらちょっとしたフェンスがあるだけで、公園に入らなくても普通に見られそうなことがわかった。
そしたら予定通り、まずは大阪らしい太陽の塔を拝むことからスタートすることに決めて、新大阪から万博記念公園へ向かうことにした。
#2へ続く…
第1回【大阪②】0泊2日 弾丸の旅<万博記念公園・今宮戎神社編>
