前回までの話はこちらをご覧ください。

横浜からの夜行バスで新大阪に到着。
新大阪から、御堂筋線で千里中央駅に向かい、モノレールに乗り変えて万博記念公園へと向かう。
大阪の土地勘がまったくないので、Googleマップと乗り換えアプリだけが頼り。スマホの中には地図も路線図も時刻表もガイドブック、Suicaさえも入っている。
まだスマホがない時代、バックパックひとつで海外を旅をした経験があるので、本当に便利な時代になったなと思う。普段からスマホに頼りきって生きているが、見知らぬ土地では、そのありがたみを実感する。
夜行バスでついさっき通過してきたばかりの千里中央に戻るのは、ちょっと釈然としないが、旅は非効率を楽しむことでもあるし、これで多少の土地勘を掴めたのだから良しとしよう。
困ったのは、御堂筋線からモノレールへの乗り換え。一度改札を出て乗り換えるのだが、案内図通りに進んでもモノレールの駅をまったく見つけることができなかったこと。
平日の朝7時台、人通りの多い時間に、御堂筋線の入るビルを矢印に沿ってぐるぐる、Googleマップを見ながら周辺をぐるぐる。
やがて足早に駅間を行き交う通勤客の波を見つけて、御堂筋線とは反対の人並みの方向へ向かうと、やっとモノレールの駅を見つけることができた。
万博記念公園駅のトイレは、平日の朝ということもあって、広い室内にまったくひとがおらず、5つある洗面台のひとつで顔を洗い、歯を磨く。誰に気を遣う必要もない、優雅な時間。
新大阪、千里中央、万博記念公園を移動してきた第一印象は『圧倒的に東京より人がいない、めっちゃ楽』。逆に東京の人の多さを実感する。あと、大阪は駅にゴミ箱があるけど、東京は本当にゴミ箱がない、そんな小さな発見さえも旅をしていると楽しい。
顔を洗い、歯を磨き、リフレッシュした気分で改札を出ると、左手にいきなり太陽の塔!!

ぼくの興奮をよそに、駅に行き交う人々は誰も太陽の塔に興味なんかない。でもその気持ちはすごくよくわかる。静岡出身の自分にとっての富士山みたいなもので、そこにあって当たり前な存在だから。
太陽の塔をまじまじと見ていると、初見だな。観に来たことある気がしていたけど、初めてだ。これはずっと観てられる。
城や遺跡のような場所に行くと当時に想いを馳せるのが好きなんだけど、55年前の1970年3月に開幕した万博は一体どんなだっただろう、帰ったら動画でも探してみよう。
と思って、探してみた。
すごい、こんな景色があそこに広がっていたのか。
太陽の塔を生み出した、1970大阪万博のテーマ展示プロデューサー・岡本太郎の万博へかける想いを知って、岡本太郎のほとばしる情熱と太陽の塔の存在にあらためて感動した。
Googleストリートビューの下調べ通り、入口の建物以外はフェンスで囲われているだけで、太陽の塔は入口の真ん前に鎮座していたので、中に入らなくても間近で見ることができた。
太陽の塔に夢中になっていて、ふと気がつくとあと30分で開園時間。入り口付近には10数人のお客さんが列を作って開園を待っていた。
太陽の塔に満足して駅に戻る橋の上で、開園にあわせて公園に向かうお客さんたちとすれ違う。そろそろ開園の時間だ。
実は太陽の塔の内部は公開されていて、中に入ることができるんです。
1970年の万博終了後は一般公開されていなかったが、2003年に33年ぶりに内部が限定公開され、1階部分のみ立ち入りできた。その後、耐震補強・内部復元工事を経て2018年に一般公開された。
実は2003年に限定公開された際は、個人では入場できず20人以上の団体が入場条件だったように覚えていて、当時は入場条件を満たせずに諦めた経験があった。
今回、太陽の塔を訪れたが、2018年から一般開放されていることを知らずに、内部を見れなかったのは残念だが、せめてその姿だけでも見ておきたい…と思っていたので、まさか個人でも内部に入れることになっていたとは知らず、そのまま帰ってきてしまったことが悔やまれる。
太陽の塔の内部は、濃厚な岡本太郎ワールドが広がっているので、興味がある方はぜひ足を運んでみて欲しい。
大阪府吹田市千里万博公園1−1
太陽の塔オフィシャルサイト
引用:Pen Online
太陽の塔に向かうとき、駅と公園を繋ぐ橋のたもとで花のいい香りがしていたが、近くでそんなに香るの花を見つけることが出来ずにいたが、太陽の塔を見終えて駅に戻っている最中に香りの正体がわかった。
橋の下、高速道路沿いに群生していた菜の花。4月の中旬で今ごろ菜の花?と思いつつも、目が覚めるような鮮やかな黄色と香りをしばらく楽しんだ。
さて、太陽の塔を見たことでようやく大阪が始まった感じがした。時刻はまだ9時30分、夕方のライブ開始まではたっぷり時間がある。
今回の大阪はアイドルグループ・CANDY TUNEのライブが観たくて訪れたので、堺にあるライブ会場に向かいながら、その途中で気になるところを見つけていく立ち寄っていくことにした。
というか、それが自分の旅のスタイル。目的地を決めて、あとはフリースタイル、行き当たりばったりを楽しむ旅が好きなのだ。
ポイントは目的地がちゃんと決まっていること。目的地のないただの行き当たりばったりではダメで、決められスケジュールの中で、いかに楽しいことを見つけられるかを大切にしている。
行く先々で写真を撮ったり動画を撮ったり、気に入った景色をぼーっと眺めたり、思いついた言葉を書き留めたり、自分でもスケジュールがまったく読めないからからこそ、たどり着いた自分流の旅の楽しみ方。
お目当ての万博記念公園に入れないのに、駅から公園までのたった徒歩5分の距離を2時間も楽しめちゃうんだから、もう自分の好奇心に身を任せるしかない。
今回のスケジュールの決め方はこんな感じ
このあとのスケジュールはどうしようか…。
去年から神社にハマってるから、どこか良さそうな神社に行きたい。
やっぱり大阪に来たからには「通天閣」には行っておきたいな。
それじゃあ万博記念公園から通天閣の間にある神社を探すか。
大阪、神社、有名…で検索、っと。
あー住吉大社は聞いたことがあるけど、通天閣を大幅に通り越してるか…。
おっ、通天閣の徒歩圏内に「今宮戎神社(いまみやえびすじんじゃ)」っていう商売繁盛の神社があるからここにしようかな。
通天閣の周辺でなにか面白そうなところはあるかな?
この「あべのハルカス」って大阪で一番高いビルじゃなかったっけ?展望台好きとしては登ってみたいな。(街を見渡せるのが好き)
ということで、太陽の塔の後は「今宮戎神社→通天閣→あべのハルカス」を歩いて回るコース(約2km)に決定。
万博記念公園駅から再びモノレールに乗り、隣の山田駅で阪急千里線に乗り換えて、天下茶屋行きの電車で最寄り駅の恵美須町駅に向かう。天下茶屋がどんな所か知らないが、壮大な名前がなんだか大阪っぽくていい。
恵美須町駅に到着し、階段を登って地上へ出る。スマホを取り出して、Googleマップを開き、神社の場所を確認する。神社までは徒歩5分。仕事の時も同じようにしているわけだが、同じ作業でも仕事の時とは違いワクワク感しかない。旅最高!
電車内でうとうとして回復したからか、それともライブが楽しみで仕方ないからだろうか、やけに足取りが軽い。こんなにライブが楽しみなのはいつぶりだろう。
今宮戎神社は、大阪市浪速区にある商売繁盛の神様「えびす様」を祀る神社で、地元では「えべっさん」の名で親しまれている。創建は西暦600年ごろとされ、1400年以上の歴史を誇る由緒ある神社。
古くから大阪の「商いの街」を支える存在であり、地元の人々にとってなくてはならないパワースポット。
大阪府大阪市浪速区恵美須西1丁目6−10
今宮戎神社公式サイト

平日の午前中で境内は空いていて、参拝者は数える程しかいない。
毎年1月9日から11日にかけて行われる「十日戎(とおかえびす)」では、約100万人もの参拝者が訪れるらしいが、今の雰囲気からはまったく想像できない。
境内は広々としていて、手入れも行き届いているし、まだ桜も咲いていたりして、とても穏やかでゆっくりとした時間が流れている。
本殿にお参りしたあと、本殿のまわりをぐるっと一周していると、本殿の裏に「裏参り」なる場所を発見。念押しで再度お参りして、おみくじ引いて、商売繁盛を願った。
#3へ続く…